2007の俺のベスト3
文庫
1.夏目漱石「こゝろ」
2.William Faulkner「八月の光」
3.中山康樹「リッスン(ジャズとロックと青春の日々)」
1と2は、今更俺が何を言わんやと云う程の有名作であり大名作であるが、読後疲労など微塵も感じさせない文章力と、巧みな話の構成力が、胸の中にズドンとイカシタ「しるべ」を刻む。
クラクラとする程に引き込まれ、どこまでも連れて行かれると眼前に核心を突き付けて「お前次第だ!」と放られる。
この心地好さは音楽では得られない。
そして、「生きて、死ぬ」と云う事が一体ナンなのか? その根幹に水をくれてやるのさ。
中山さんは大好きな音楽評論家であり、その方の音楽遍歴を自筆で綴ったのが3。
兎に角この人の評論は楽しく読める。
凡その評論家は「俺はここまで知ってるぞ!」とばかりに外堀を埋めて音楽を切り取るばかりだが、中山さんはある種乱暴なまでに主観的である。
しかし、音楽を聴く楽しさをこれほどまでに魅力的に書ける人は少ないんぢゃないかな。
今年もかなり乱読したのだが、無駄な物には当たらなかった。
時間はいくらあっても足りはしない。