81コマの升目に40の駒。
限られた中で無限の戦いを繰り広げる。
あぁ、将棋ってとっても素敵!
同じ相手と何度戦っても、同じ内容には決してなりはしない。そこが奥深い魅力だな。
やればやる程、深みにはまるのは何事も同じだが、ある程度要領を知るにつけ、越えられない壁にぶち当たるのも、これまたどんな世界でも一緒ですわ。
その壁を面白可笑しく越えて行く人達が、天才や奇才と呼ばれるのだな。
はっきりと白黒つける勝負の世界ゆえ、厳しさも目に見える程明らかだが、おかげで身の丈知らずの戯けを産み落とす事は無いのだろう。
将棋でハッタリだけの奴って、見た事ないや。
話は変わって中近東の方では、音階が五千もある国があるとか。十二音階の四百倍以上! 想像を絶するスケールとは正にこの事だ。
譜面も何も通用しない世界。素敵だ!
ミクロの中にマクロがあって、マクロの中にミクロがある。
つまりは、一事が万事とはいかないと云う訳だ。
……やや、もしかすると同じ事なのかも?しかし、そうなると息苦しい感じがするから、今日は違うとしておこう。
なにが言いたいかというと、人類は色々なところで宇宙的なモノを創っているって事!
将棋もアラブもゴーギャンもジミヘンも蜂蜜も全てがアクロス・ザ・ユニバース。
スペースシャトルも地球の周りをグルグル回るだけだからね。すごいんだか、すごくないんだか微妙だ。
月へアポロが行ってないって話も、まんざら嘘じゃないのかも?
羽生名人の頭の中は宇宙だろうねぇ。ブラックホールがあるかもなぁ。
あのおっちゃんは戦後の愚連隊だったんだとさ。
十九の時に初めてパクられて、その後二十代でパクられた時には堅気になろうと奮起し、今に至るって話だ。
俺様はバリバリの「戦争を知らない子供たち」だからよ、聞く話はすべて映画か漫画でありそうな素っ頓狂な逸話ばかりさ。
戦争に関しちゃ俺は土台お呼びぢゃないからよ、一節打つのは遠慮させて頂いて、動乱の戦後で叩き上げた世代ならではの話ってのを御披露させて頂くぜ。
おっちゃんは都内某所で土建業を転がしてんだな。
俺は一頃、そこで働いていたのさ。
ある日会社の倉庫の中に、たっぷりとネジが入ってる箱を見つけたんだよ。「なんだい?コレ」って尋ねてみたら、いままで会社で使っちゃ壊し、使っちゃ壊ししてきた色々な機械のネジなのさ。
その箱の中には、悠に三百本位のネジが放り込まれていたんだよ。
これがまた、たかがネジだが、されどネジって訳でさ、今使って生きてる機械を修理するのにポロっと一本ネジが無かったりすると、おっちゃんは慌てず騒がずその箱から一本調達するって寸法なのさ。
そりゃぁ〜ネジなんて、太さ長さで何種類もあるし、そう簡単には流用出来ないけどよ、なんてったって使えなくなった機械を全部バラして一本、一本こまめにネジを取り置いてあるんだからよ、不思議と合うネジも見つかるって訳さ。
俺も何度か会社の機械を壊しちゃ、そのネジ箱に助けられたぜ。
「あの時ゃぁ〜何でも金になったぁ。落ちてるモンは何でも拾ったもんだ」
そう云えば俺もあのおっちゃんに、拾われたようなモンだった。
あれは嵐の夜だった。
国立リバプール。不敵な面構えの五人組がわらわらとステージに現われた。
「お前に絶対見てほしい」余りにも熱心に誘うツレの言葉に渋々ついていったっけ。
薄暗い店内にバンドがセッティングする音が、あちこちに反響しながら煙草の煙と混ざり合い、何かいかがわしい雰囲気が漂う。
すると、やおら張りの無いスネアの音に弾かれて演奏が始まる。
「これは……」それはウイルソン・ピケットのイン・ザ・ミッドナイトアワーだった!
やつらは原曲よりもヤサグレたビートで喧嘩腰な演奏をしやがった。
あの夜、俺は俺のクロスロードに立っているとは、知る由もない。
店外は台風で大荒れだが俺の胸にも強風波浪警報が響く。
Jumpin' Jack Flash
正に嵐の夜に転げ落ちたって訳よ。
あれから十五年、何度もミッドナイトアワーを唄いながら、あの日に思いを馳せて来た。
あの時のボーカルは「やりたいと思ったピュアな気持ちを忘れるな」と言ってたっけ。
俺は今でも夜の真ん中で、激しく、時に切ない歌声と戯れながら、転げ落ちる瞬間を待ち続けているのさ。
サンキュー!
ウイルソン・ピケット
御冥福をお祈りします。
ソラ ハ アッパレ。
カゼ ハ ホクセイノカゼ。
キオン ヤク ロクド。
クルマ ハ カナリ ノ ポンコツ。 ウンテンシュ ハ コレマタ ポンコツ。 ジョシュセキ モ アワセテ ポンコツ。
フタリトモ オカネ ナイ。 モチロン キョウヨウ ナイ。 ゼンパンテキ ニ ヨユウ ガ ナイ。
デモ ワライ タクサン タクサン。
ダカラ マダマダ ダイジョウブ。
チキュウ ノ サバク ヒロガル ハヤイ。 コドモタチ ワライ イッパイ 。カレラ カナラズ ネ ヲ ハルダロウ。ソシテ ソラ メザス ダロ。ワライ タクサン マダ ダイジョウブ。
ウンテンシュ ハ ポンコツ。 ナケテクル ホド ノ ポンコツ。 ジョシュセキ モ アワセテ ポンコツ。 アキレル ホド ノ ポンコツ。 オレタチ ワライ タクサン。 ダカラ ダイジョウブ。 コレカラ マスマス ダイジョウブ。
ダカラ キミタチ モ ゼッタイ ダイジョウブ。
ハッシャ オーライ!
いや〜今日はせいじさんに笑わせてもらったなぁ。
森 進一の『花と蝶』に始まって『海のトリトン』まで、歌った歌った。
生まれた場所も世代も違うけど、共有できるモノがあると途端に距離が縮まるのは世の常ですね。
気にする事ないよ! ツトムは社長を張れるタマぢゃないね。泣き言ばかり言いやがって、締めるポイントがズレてやがんだ!
お茶碗位の器で、雨漏りさせながら太平洋に漕ぎだしたゲロがっぱなんだよ!
悪い奴では無いけどね、卑しい奴でも無いんだが……なんだか女々しいのよなぁ〜グダグダしやがるからよ。
あの『フランダースの犬』に出てくるネロは、絵を描く道具もなくて木を彫ったんだよね、せいじさん。
実はその場面は覚えて無いんですが、苦しい生活の中で濡れ衣を着せられて、それでも一目「ルーベンスを観たい」と願いながら「……眠いよ、パトラッシュ……なんだか、とっても眠いんだ……。」と目蓋を閉じたあのシーンがツトムにゃ分かんねぇんだからなぁ〜。
今年は日本にルーベンスが来るらしいよ! 水平線がキラキラと眩しいっす……昼寝をしたら帰ろうか?
Groovin' Sunday
二輪車にまたがって田舎道を走っていると、ふとある記憶が飛び出してきた。
ポキ彦は小中高がずっと一緒の同級生。同級生の中でも一番家が近い事もあって、ちびの時分は兎に各つるんでいた。
高校でポキは一組、俺は五組で少し付き合いが変わった。
尚且つ成り行きでポキは水球部に入ったもんだから、学校外で会うなんてまれな事となる。
俺たちのハイスクールにはタニメと云う噂の教師が居やがって、こいつは強烈な武勇伝でその名を轟かせ、その地区の悪童達の天敵たる存在だった。
なんたって学校に流しに来る単車を捕まえては、バイク没収、乗り手は歩いて帰らせるなど熱血すぎる白熊野郎で、逆らうなんてとても無理。せいぜい遠目でからかうのが関の山だった。
タニメは水球部の顧問であり、それ故ポキは放課後から夏冬休みまでタニメに鍛えられる事となる。
あぁ、哀れなりポキ彦はイルカぢゃあるまいし、水上に浮かぶボールを死に物狂いで追い掛ける日々を送っていた。
そんな日々が二年も過ぎた頃、ポキが家出をしたという。何処で夜露を凌いでいるのか、二週間も行方をくらましていた。始めは怒るばかりのポキの親父さんも、さすがに不安になって仕事も休み捜すようになる。「どうも山の中に潜んでいるらしい……」と云う。
友人五〜六人がポキの家を中心に捜索。なんの手掛かりも無いまま陽はドンドン傾いてゆく。
「いた!」
その時のポキの親父さんがみせた猛烈ダッシュは、まさに韋駄天ダッシュのマッハ3! 俺が二週間ぶりに見たポキは、親父さんに肩を抱かれ山からうなだれて出て来る姿だった。
聞けば水球部のしんどさに途中退部を何度も申し入れたが、その都度タニメに却下されていたらしい。
タニメの事だから脅しに似た台詞を吐いたであろう事は想像に難しくない。
冗談みたいだが、俺達の学校って生徒も規格外だから教師も規格外なのさ。
ポキにしてみりゃ、水球辞めるか学校辞めっちまうかってトコロまで追い込まれたんだろなぁ。
勿論、公に騒がれたタニメはポキを解放し、復学したポキはちゃっかり彼女なんかつくって楽しい時間を過ごしたのだが……あの山からうなだれて出て来るポキの姿は……言葉に出来ないなぁ。逃げ延びたとしても行く当てなど無かったろうしなぁ……。
ポキは三人の子の親父となり、潜んだ山は少しこじんまりとした。
なぁポキ、あの日親父さんに捕まえて貰った時、どんな気分だったんだい?
はるばる来たぜ川尻港!
わぉ! 逆巻いておるわい。雨は叩きつけて煙る沖合が霞んでやがる。
非常に血がたぎる光景ぢゃのう。この天候だもの勿論誰も居ません、我々以外。
ちょっと叫んでみる? 多分あっちがインドネシアの方角だぜ。 恥ずかしかないよ、誰にも聞かれる事ないって。
どわぁぁぁぁぁーっ!
こんなトコまで波が吹き上げてきた……。
無力だねぇ〜人間なんて。その事実がまた素敵だなぁ〜。海星があちこちに打ち上げられて、出迎えにきているみたいだね。
どこから響いてくるのか、波の雄たけびがドーン、ドーンと空に空砲を放ちだすから俺も叫ばずにはおられないって訳さ!
「蟹やろぉぉぉぉぉーぅ」
……さ、帰りましょうか。ほどほどにしないと風邪ひくからさ。
兄はこう言った。「小説を、くだらないとは思わぬ。おれには、ただ少しまだるっこいだけである。たった一行の真実を言いたいばかりに百ペエジの雰囲気をこしらえている」私は言い憎そうに、考え考えしながら答えた。「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」――太宰 治 『葉』より
昨夜、妹がこう言った「兄キやり過ぎぢゃない? 装飾が多すぎるよ」俺は手早く直観的に答えた。「やり過ぎだよ。考えてないからな」
やっぱし、やり過ぎたか……。明日からは趣を変えてみるよ。結局はやり過ぎるだろうけどね。
そしてその内、気が狂いだすだろうね。俺ほど好き嫌いの多い奴も居ないからな。いや、好き嫌いの差が激しいと言った方がしっくりくるかな。
あの笑ってんだか泣いてんだか分からない顔で他人の腹を探るクサレ〇〇〇。
丁度、今の時代に俺が何をするにしても目の上のタンコブなんだよ、〇〇〇。
闘いますよ、ドコまでも。
野を越え山越え、谷越えてはるかな町まで轟くような大声で、ヘソ丸出しで笑ってやる!
洗い浚い話す訳にもいかないだろう? 嘘も方便と言うぢゃない。
今なら少しは理解できるが、それにしても何故こうも行き場のない閉塞感だらけの商人奴隷が幅を利かせた、ペンペン草も生えないビックロードを辿る巡礼者が後を断たないのか……。
答えは風の中を舞っているのか? 否、風は吹いているのか? 上空と地上に温度差が無ければ風は吹かない。平坦な道は何処にもありゃしない、あるはずが無い。それを何故か隠して、四方八方を開拓した気で背中を押すんだ、お前達は!
理解出来ないモノは恐怖の対象でしかないなんて、所詮はコモノなのさ。
くじらは海を泳いでいる事を知っているのだろうか。
マレーシアに生息する、あの芸術的な昆虫は、南極や北極といった氷の世界を知るすべも無いのに……。
君は、貴方は、お宅は、そなたは、貴様は、お前は地球を知っているのだろうか? 誰も何も識りはしないのさ。
「これはなんだ」と思った瞬間から、この欺瞞に溢れた一節の物語が始まったんだね。
誰も、何も創ってやしない。欺く術を覚えては賢くなったと喜ぶ、エテ公の皮を被ったエテ公なのさ。
真理なんか糞くらえだ! 「考える葦である」 アホか! 寿司屋の湯呑みにコーヒー入れて飲む真似は、俺には無理です。なので、コーヒーカップにコーヒーもう一杯。プリーズ。
あれは何色っていうのかねぇ〜?
高速道路、H市からM市へ向う午後4時過ぎの運転席。
山間のトンネル抜けて、右手前方には暫しの別れを告げる太陽の灯の裾。
助手席でその他の雑酒2をあおりご機嫌な花っぺと、のりしおを頬張りながらハンドルを握る俺。
今日も心無い意味不明なやり取りが、愛の無い週末に散乱して俺も花っぺも憔悴気味ですが、この瞬間に免じて帳消しにしてやろう。
誰だって寒い時は寒いし、暑い時は暑いからな! もっとも最近の城の中は何時でも快適で皮膚感覚が鈍くなる一方の連中が増えちゃいるんだが。
こちとら選球眼なんかありゃしないのさ! 一度バットを手にしたら一球勝負で十分よ。だから臭い球で様子をみるのは、よしてね。
イメージ。
これが大切。ある感じ方において。
『R&B』 これを「アールアンドビー」と読んだら途端に粗末な消耗品、使い捨てのバッタもんに思えてくる。
無論、そう読むんだが……嫌いだ! カッコ悪いや。
『ダンスミュージック』 これは言葉として嫌い! 俺に言わせりゃ「強制送還」だ! 決して踊れる音楽は嫌いぢゃないけど、語感が水で薄めた牛乳の様で考えたくもない。
『日本酒』 素敵だ! 俺飲まないけど、素敵だ!
イメージ。
『イメージ』 胡散臭い造語でしょ、どうせ。分かってはいるけど許されてんだよな。
日本語は素敵だよ。今や言葉も、不法入国や不法滞在、俺オレ詐欺に結婚詐欺で偽物まがい物が多くはびこっちゃいるんだがね。
またそれも、イメージ。
あの純真さは何だろう? あんなに綺麗なモノがこの世にある事の不思議に、訳も無く胸がうたれて、思わず涙が出そうになったよ。
もう感情も感動も軽く飛び越えて、本能の一番深いところを鷲掴みされたみたいです。
先行きを案じれば、無条件に讃える事は不可能に思えてくるが、ただ、ただ溢れだす命のバトンが放つ光の強さにひれ伏すばかりです。
よっしゃ! 錨を上げて帆を立てよう。まだまだ波の合間にキラキラひかる宝石の様な瞬間を捕まえて、君の航路が潤うように、風が何処へ吹こうとするのか俺の知り得る限りだが、見付けてやろう!
ようそろ〜。